九州ローカルバス旅時刻表

島嶼部のバス旅

 鹿児島から沖縄にかけて点々とする南西諸島の島々。これらの島にも、それぞれローカル色豊かなバスが走っています。

屋久島

 種子島・屋久島交通のみに使える1日乗車券2000円、2日乗車券3000円、3日乗車券3000円、4日乗車券4000円があり港で販売している。2日乗車券と3日乗車券の金額がまったく同じなのは謎。まつばんだ交通には使えないので、買ったがいいかどうかはよく検討して。定期観光バスをまつばんだ交通が運行。
 さて、調べてまずびっくりするのが、民宿の多さ。100件近くはあり、3000円~8000円ぐらいと、とにかく安い。リゾートホテルやふつうのホテルもありますが、屋久島を満喫するには鉄筋コンクリートの建物じゃなくて、思い切って民宿を選んでみてはいかがでしょう。
 登山客などの「徒歩客」が多いせいか、人口の割にバスの本数は豊富。「せっかく屋久島まで来たのなら時間をロスしないために、バスじゃなくレンタカーをおすすめします」って書いてるサイトもあったけど、そんなに1日ですべての『観光地』を見て回りたいような人は、わざわざ屋久島なんかに来なくてもいいじゃないかな^^;

種子島

 種子島と屋久島はよくペアで扱われますが、種子島では観光客の影は薄い。いわさきグループの種子島屋久島交通というバス会社がありますが、種子島では路線バスから撤退してしまい、地場企業がかわってバスを走らせてました(こまかい経緯は省略^^;)。しかし2019年にこの後継のバス会社も倒産、現在はさらにそれを引き継いだ和人組という建設会社が日曜は全便運休T^T というカツカツの状態で路線を維持しています。
 実は人口は屋久島よりずっと多く、西之表市という市があるんですよね。西之表の読みは「にしのおもて」で、ヤマネコがいる沖縄県竹富町の西之表島(いりおもてじま)とは異なります。混同した観光客からよく「ヤマネコはどこで見ることが出来るのか」と質問されるそうです。
 観光で有名どころは島南部の種子島宇宙センターでしょう。島南部はロケット一色(?)で、港の灯台や小学校の門柱までロケット型。予約が必要ですけど、ここは必見。打ち上げ場、広い! 打ち上げ台、高い! 館内には打ち上げを断念した、本物のH-IIロケットが保存してあります。レプリカじゃないホンモノに触れあえるのはここだけ! 日曜に運休になってしまう(ただしゴールデンウィークとシルバーウィークは運転するそう・・・)路線バスが、なかなかの関門としてたちはだかりますが訪問の価値は充分あります。

奄美大島

 しまバスに使える1日乗車券2100円、2日乗車券3150円、3日乗車券4200円がある。飛行機で来たときは空港のカウンターで買える。フェリーで来たときは、ちょっと離れているけど「しまバス」本社が6時から開くのを待つか、そのままフェリーからの接続バスで島の南端の古仁屋まで行き、降車時に運転手さんに事情を話して古仁屋の「海の駅」で買うといいですよ。
 さて、沖縄のように「常夏の国」とはいいませんが、シュロの林やジュラシックパークに出てくるようなでっかいシダの化け物(?)みたいな木々(正式名称はヒカゲヘゴです)なんかをみていると、やっぱり異国を感じます。名瀬の市街地には見あたらないけど、周辺の小さな集落を回ると高倉といわれるいかにも南方系の高床式の建物があるのも、なんかいい。
 ふだんは美術館なんか行かないけど、空港からほど近い(旧空港の場所)田中一村記念美術館はオススメ。
 一方、島の西南部はバスの本数も激減し、一般向けの観光ポイントといえる場所は限られますが、逆に言えばそこここの小さな入江が静かな南国の島を感じさせてくれる、時間の流れをゆったり感じる旅をしたい人にはうってつけかも。瀬戸内町には奄美出身の有名な女性歌手の実家もあり、彼女の歌のバックボーンを実感させられます。

加計呂間島

 加計呂麻島には、加計呂麻バスという小さなバス会社があります。これはずっと以前、奄美大島東部に路線を持っていた林バスの社員の方々が、会社の解散に直面し島内の従業員で設立したバス会社です。テレビなどでも報道されたこともあるように、小荷物の運送から新聞の配達までこなしながらバスの運行をささえています。
 古仁屋から朝1便のフェリーで渡ると、新聞配達をするバスに乗れます。瀬相港に各方面行きのかわいいバスが4台勢揃いしているのは壮観(?)です。
 のんびりした島で、黒煙が上がっているので火事かと思うと、サトウキビを煮詰めて黒砂糖をつくってる作業中の工場・・・というよりただの民家の車庫ぐらいの大きさ・・・だったりします。ちなみに島でとれたサトウキビは、島で黒砂糖に加工されるのはわずかなんだそうです。直接、本土に出荷されて、意外なものになるんですよ。・・・そう、味の素になるんです。(砂糖もついでにできます^^;)

喜界島

 1日乗車券800円で空港窓口の他、車内でも販売しており観光に便利です。もうどこでおりてぶらぶらしても、集落から植生から海の色からすべて南の島!!! 運転手さんも親切ですので、降りたいところを相談してみましょう。
 ちなみに、この島のバスの経歴はかわっていて、かつては東亜国内航空(現 日本航空)という航空会社の直営だったのですが、そののち大島海運(現 マルエーフェリー)の経営になり、現在は奄美航空という空港業務をする会社の経営になってます。飛行機やフェリー会社がバスやっているってのはなにか面白いですよね。

徳之島・沖永良部島・与論島

 ご予算を考えるとフェリーで行くことが多いと思いますが、奄美群島を結ぶこの船、全然定刻で運航しません。農作物の出荷時期などは各港で出港時間が過ぎても延々1時間近く荷役作業をするので事実上、無ダイヤ状態。(「フェリーの入港は、○○港に何時です」と島内に有線放送が流れて人が集まってくる・・・)
 あげくに風向きが悪いと島の反対側の避難港に着岸したりもするので、バスはまったくフェリーとの接続は眼中にない。東南アジアのカオス感が漂いまくりです。(最南端の与論島などは、バス路線は港にも空港にも寄らない)
 珊瑚礁が隆起してできた沖永良部島や与論島(それと喜界島)は鍾乳洞が分布しており、実は地下の空洞に水を溜める地下ダムが整備されている。離島は水の確保が難しく農業が難しいことが多いが、ここではその心配はないそう。予約すると地下ダムを見学できる島もある。

島嶼部の時刻表

交通事業者名 主な自治体 主な結節点となる駅・港・バスターミナル(BT) 主なローカルバス旅 観光地
種子島・屋久島交通
→屋久島観光協会
→屋久島REALWAVE
屋久島町(屋久島) ※種子島は撤退して路線はない 宮之浦港、安房港、屋久島空港 定期観光バス(ゆうらんバス)、屋久杉ランド、白谷雲水峡、尾之間温泉、平内海中温泉、大川の滝、永田海岸(ウミガメ産卵地)
まつばんだ交通バス
屋久島町(屋久島) 宮之浦港、安房港、屋久島空港 定期観光バス(屋久島周遊観光バス)、屋久杉ランド、白谷雲水峡、尾之間温泉
大和バス(和人組)
西之表市、中種子町、南種子町 (種子島全域) 西之表港、種子島空港 種子島宇宙センター、大和温泉
西之表市コミュニティバス
西之表市(種子島) 西之表港 わかさ公園
中種子町コミュニティバス
中種子町(種子島) ※種子島の中央部 [大和バス]野間 種子島温泉
南種子町コミュニティバス
南種子町(種子島) ※種子島の南端部 [大和バス]本町(南種子) 種子島宇宙センター、河内温泉、門倉岬
しまバス(旧 道の島交通 (旧 岩崎バス))
奄美市(奄美大島) 名瀬港、古仁屋港(加計呂間島行き)、奄美空港 アヤマル岬、ヒカゲヘゴ(でかいシダ)などの亜熱帯植生、田村一村記念美術館、マングローブ原生林、ハブセンター
奄美交通 ※会社は解散し、しまバスに路線は引き継がれました
大和村直行バス
大和村(奄美大島)、奄美市 ホテルウエストコート前[しまバス] 宮古崎
南部交通海浜バス(旧 瀬戸内海浜バス)
瀬戸内町(奄美大島最南部) [しまバス]古仁屋 ヤドリ浜、西古見海岸、大島海峡(瀬戸内)に沈む夕日
加計呂間島バス
瀬戸内町(加計呂間島) 生間港(奄美大島[古仁屋]行き)、瀬相港(奄美大島[古仁屋]行き) 加計呂間島、珊瑚の海岸、さとうきび畑、デイゴ並木(男はつらいよロケ地)
喜界バス(奄美航空)
→喜界島観光物産協会
喜界町(喜界島) 喜界港(鹿児島・奄美行き)、喜界空港 喜界島、珊瑚の海岸
総合バス(徳之島総合陸運)
徳之島町、伊仙町、天城町 (徳之島全域) 亀徳港(鹿児島・奄美行き)、平土野港(鹿児島・奄美行き)、徳之島空港 徳之島、珊瑚の海岸、珊瑚礁による鍾乳洞
沖バス(沖永良部バス企業団)
→和泊町役場   →知名町役場
和泊町、知名町 (沖永良部島全域) 和泊港(鹿児島・沖縄行き)、知名港(鹿児島・奄美行き)、沖永良部空港 沖永良部島、珊瑚の海岸、珊瑚礁による鍾乳洞、屋者琉球式墳墓
南バス(南陸運)
→与論町役場
与論町(与論島) 与論港(鹿児島・沖縄行き)、与論空港 与論島、珊瑚の海岸

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